環境

シームレスパイプ製造の脱脂洗浄工程では、既設蒸気ボイラに、ヒートポンプ給油機による給水予熱を付加。蒸気ボイラの負担を大幅に低減。

無酸化熱処理工程には正確に温度制御ができる電気炉を活用。仕上がりにムラがないと高く評価されている。左側写真は電気炉の入り口側。右側写真は電気炉の出口側。
精密鋼管を製造する京都精管株式会社は、1967年(昭和42年)の創立以来、冷間引抜加工をはじめとする高度な技術で顧客ニーズに応えてきた。ロケットや航空機、自動車などに用いられるパイプはミクロン単位での精度が求められる。そのため、温度制御に優れた電気炉を熱処理工程に活用。高品質・高精度な製品を送り出している。
 また、蒸気ボイラの使用量削減を図るため、冷間引抜加工後のパイプを脱脂洗浄する工程をリニューアルした。既設のLPG蒸気ボイラにヒートポンプ給湯機を組み合わせた給水予熱システムを採用。ヒートポンプ給湯機で約22℃の井戸水を60℃まで上げた後に、ボイラで100℃まで昇温するハイブリッド方式により、蒸気ボイラの負荷を大幅に低減でき、ランニングコストとともにCO2排出量の低減も実現している。

ランニングコストと効率性を考えて
ハイブリッド方式を採用しました。



代表取締役社長
柴ア 修治
最初は電気に対する戸惑いもありましたが、1年かけてランニングコストなどを精査し、既設のLPG蒸気ボイラにヒートポンプ給湯機による予熱を付加することを決めました。抑えるべきコストは抑えて上手にエネルギーを使う”ハイブリッド方式”としたのです。夜間電力を利用し、60℃まで昇温してからボイラを使うので非常に効率がいいですね。ランニングコスト、CO2排出量とともに約70%削減できました。作業的には以前と変わらず、従業員に負担をかけることはありません。逆に、以前は早めに出勤してボイラの温度が上がるのを待たなければなりませんだしたが、ヒートポンプ給湯機で夜間に昇温してボイラに投入していますから早く出勤することもなくなりました。
 当社では、無酸化熱処理に電気炉を利用しています。電気だと硬度にムラがなく仕上がり、大手メーカーさんから熱処理を依頼されることもあるほどなんですよ。
 今後、乾燥工程での電気利用についても検討したいと考えています。

 
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